日水製薬株式会社

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特別対談

コンパクトドライが変える微生物検査の現場

HACCP制度化で高まる簡便・
迅速な微生物検査のニーズ

―検体数の増加、人手不足など様々な課題解決に貢献―

近年、食品企業ではHACCP制度化の施行などを背景に、原材料や最終製品、中間製品、製造環境などの微生物検査の必要性が高まっています。一方で、従来からの公定法などの微生物検査法は、時間や労力がかかるなどの問題点も指摘されています。そこで注目を集めているのが“簡便・迅速な微生物検査キット”です。
今回は簡便・迅速な微生物検査法を、自主的な品質管理・衛生管理に効果的に活用している北海道コカ・コーラプロダクツ様とサイゼリヤ様の事例を対談形式で紹介していただきました。
(於・日水製薬株式会社 会議室)

01簡便・迅速な微生物検査法を導入した背景

環境検査など検査項目は増加傾向

大橋氏はじめに両社の微生物検査の体制や、簡便・迅速検査の導入状況について教えてください。

小林氏コカ・コーラグループでは、各工場に品質管理室を設置して、微生物検査や理化学検査などを行っています。当社の場合、以前はコカ・コーラやファンタなどの酸性飲料が主力商品で、品質面や安全面で問題となる微生物はカビや酵母でしたが、最近はお茶などの中性飲料の取り扱いが増え、カビ・酵母だけでなく一般生菌などの制御も重要な課題として考える必要性が高まってきました。また、当社では無菌充填飲料も製造しているため、常に「製造環境が無菌である」という確認も必要です。さらに加えて、当社では検査結果で合格判定が出るまで出荷できないルールとなっています。そのため、培養に時間がかかると、培地の保管スペースだけでなく、結果待ちの製品を保管するためのスペースも必要となります。
 そうした背景から、簡便・迅速な検査法として日水製薬の乾式培地「コンパクトドライ」を採用しました。それにより、大量のサンプルの処理が可能になっただけでなく、緊急の検査要請があった際にも迅速に対応できるようになっています。

簡便・迅速な検査法として使用される日水製薬の「コンパクトドライ」
サイゼリヤの工場や店舗においても、簡便・迅速な微生物検査を実施

千田氏サイゼリヤでは、国内4工場に、それぞれ品質管理課を設置しており、原材料や中間製品、最終製品の検査をはじめ、外部調達食材の検査、工程管理を検証するための検査、環境の衛生状態の検査、出荷品の保存検査などを行っています。
 微生物検査の方法は、基本的には各工場の裁量で決めることが許容されています。一部を簡便・迅速法に切り替えた工場もあれば、ほとんどすべてを簡便・迅速法に切り替えた工場もあります。本部の品質保証室では、各工場の品質管理課と緊密なコミュニケーションをとりながら、工場の衛生管理に問題がないかチェックしたり、必要に応じて衛生教育を行ったりします。検査に用いるサンプル数は増加傾向にあり、簡便・迅速法を採用したメリットを実感しています。
 また、本部の品質保証室では、国内に1000 以上ある店舗の衛生チェックも行います。店舗でふき取ったサンプルを本部に持ち帰り、簡便・迅速法で検査しています。店舗の衛生点検では、どうしてもサンプル数が多くなるので、簡便・迅速法は大きな効果を発揮しています。

コンパクトドライは膨大な検体数にも対応可能

大橋氏北海道コカ・コーラプロダクツ様でのコンパクトドライの使用状況について教えてください。

小林氏現在、工場では年間で約9万件の微生物サンプルを処理しています。そのうち2万件がコンパクトドライによる環境菌を含めた微生物試験件数となります。工程管理を重視していることで環境試験件数が圧倒的に増加しています。無菌充填を導入した当初は、今よりも多くの検査が必要で、1日で1000件近い検査を行ったこともあります。現在も、多い日には最大350件ほどの検査を行うことがあります。これら大量のサンプルをすべて混釈法で検査しようとすれば、培地の調製やコロニーカウントなどに膨大な時間や労力がかかりますし、相応の培養スペースも必要です。

コカ・コーラの工場では、コンパクトドライに よる試験数が年間約2万件にのぼる

大橋氏北海道コカ・コーラプロダクツ様は、ディスペンサーのサニテーションも行っています。

小林氏北海道内に設置された約8000台のディスペンサーのサニテーションを行っており、その妥当性を確認するために水や装置の検査を実施しています。そのサンプル数は年間で約1万5000件に及びますが、コンパクトドライであれば、このサンプル数の処理も可能です。ちなみに、これらのサンプルは、サニテーション担当者が現地で採取し、品質管理部に送付します。サニテーション担当者は“微生物検査のプロ”ではないため、使用する培地には「誰でも適切なサンプリングができる」「サンプル輸送中、培地の密封性が高くコンタミリスクが低い」という特徴も必要でした。コンパクトドライは、これらの要件にも合致しています。

コカ・コーラ工場での検査風景
“微生物検査のプロ”でなくても適切なサンプリングが可能